弊社ではお客様より、「五月人形は購入したら、どこに飾ったらいいのか知りたい」、「人形を飾りたいけど、飾るスケースがない場合はどうしたらいいですか?」また「そのような場合は、実家に飾っても問題ないでしょうか?」という相談を受けることがあります。
五月人形の飾る場所や飾り方について、特別なルールはありませんが、住む地域によってしきたりや風習が異なります。飾る場所に悩んだ時は、ご購入された地域の販売店やメーカーに相談してみるといいでしょう。本記事では、五月人形を飾る場所や、飾るスペースがない場合の対応方法などについてご紹介します。
五月人形はご自宅に飾るのがおすすめです
五月人形には「その家に生まれた男の子の、健康・安全を祈る(または、災いから守る)」という意味が込められているので、基本的には子どもが長く過ごす場所である「自宅」に飾る方法がおすすめです。五月人形を置く場所は、昔からの風習だと最も格式の高い場所とされる「床の間」に飾ります。床の間とは、床を一段と高くした場所のことで、壁に掛け物、床に花・置物などを飾ることが多いです。
昔の日本では、和室に床の間があるご家庭が多かったですが、今では和室・床の間がないご家庭も多いかと存じます。またアパートなどの賃貸物件の場合も、床の間があることは珍しいでしょう。そのような場合はリビングやお子様のお部屋などに飾っても問題はありません。
飾る場所がない場合は、飾りやすいサイズの五月人形を選んでみましょう
近年では五月人形の設置場所に悩むこともありますよね。上述した床の間の問題だけでなく、ご自宅の広さも一軒家に比べると狭くなることが多く、「五月人形は欲しいけれど、設置場所がない…」そんな声も度々聞きます。
そんな時には、省スペースのお部屋向けの小さいサイズの五月人形がおすすめです。昔は大きな五月人形が主流でしたが、今は生活の変化に合わせて、五月人形のバリエーションも変わってきました。最近は、コンパクトサイズの五月人形もさまざまな種類が販売されていますので、ご自宅のスペースに合わせて選ぶといいでしょう。
コンパクトサイズの五月人形を選ぶ場合は、コンパクトサイズの兜飾り、武者人形・大将飾りなどがおすすめです。兜飾り、武者人形とは、それぞれ以下のとおりです。
- 鎧飾り……本式の五月人形で、全身の防具。1/5スケールや1/6スケールなどのコンパクトなサイズがおすすめ
- 兜飾り……頭部の防具をモチーフとして作られた。コンパクトなサイズのバリエーションも現代では豊富
- 武者人形・大将飾り……人形タイプの五月人形で、サイズは小さいものが多い。
コンパクトサイズの五月人形であれば、スペースを取りすぎず、飾ることができます。五月人形のおすすめについては「【2024年版】五月人形のおすすめを種類別(カテゴリー別)にご紹介」で詳しく紹介していますので、こちらもご覧くださいませ。
和室スペースがないご家庭でも、おしゃれに飾れる五月人形
上述の通り、五月人形は「床の間」のような和風のお部屋に飾る風習がありますが、アパートやマンションの場合は床の間がないケースがあります。そんな時は、洋風なご自宅にも合うようなデザインの五月人形を選んでみてはいかがでしょうか?
最近であれば、和室・床の間に飾らなくてもおしゃれに飾れる五月人形も豊富です。落ち着いた色味の五月人形などは、洋風なご自宅にも非常にマッチします。ご自宅のインテリアや家具に合わせて、五月人形を選ぶのも、とても楽しいですよ。
関連記事:五月人形を飾る場所に迷ったときに。おすすめは「床の間」か「リビング」に、飾る際の注意点もあわせて解説
実家・食事会に人形を持っていく予定がある方は、コンパクトサイズの五月人形もおすすめ
お客様より「子どもの初節句にあたり、親戚一同を交えて食事会を開くので、その時に五月人形をお披露目したいと考えている」という相談をいただくこともございます。初節句の食事会とは、祖父母や親戚などを交えて、お子様の誕生・成長をお祝いするイベントのことです。
初節句に特別なルール・決まりは定められていないので、家族のみで行っても問題はありませんが、祖父母・親戚を交えて行うことで、初節句も盛り上がることでしょう。食事会は自宅、お店(ホテル、レストラン、料亭など)で開く方が多いですが、弊社のお客様のなかには実家に里帰りして食事会を開催するという方もいらっしゃいます。
お店や実家など、五月人形を持ち運ぶ予定がある方の場合、持ち運びしやすいサイズの五月人形を選ぶと良いでしょう。食事会の際に五月人形を飾ることで、場が華やかになり、毎年の素敵なイベントとなるはずです。
関連記事:初節句の食事会はいつ行うべき?家族みんなで知っておきたい、お祝いのタイミングや気を付けるポイント
どうしても自宅に飾れない場合
「自宅が狭くて、人形を置くスペースがない」
「家にペットを飼っているので、五月人形を飾ることができない」
「すでに長男の五月人形を飾ってあるので、次男用の五月人形を飾るスペースがない」
ご家庭によっては、さまざまな理由から五月人形がお部屋に飾れないというケースも少なくありません。どうしても自宅で五月人形を飾れない場合は、実家に五月人形を飾るという方もいらっしゃいます。
ただし五月人形には「子どもを守る」という意味が込められているので、なるべく子どもが普段暮らしている場所に飾るのが好ましいです。
ペットを飼っているご家庭の場合は、ケース飾りを選ぶ・アクリルケースを使用する方法も
ご自宅にペットを飼っているご家庭の場合、ケース飾り(ガラスケースなどの中に、人形やその他の飾りがすべて入った節句飾りのこと)の五月人形を選ぶ、または五月人形にアクリルケースを取り付ける方法もおすすめです。
アクリルケースとは、アクリル樹脂製の収納容器のことです。アクリル樹脂は透明で、容器の内部が透けて見えることから、コレクションの収納などに用いられるケースが多いです。アクリルケースに収納することで、ペットから大切な人形を守ることができます。
兄弟分の五月人形が置けない場合、名前旗・名前札で代用する方法も
「兄弟分の五月人形を、スペースや予算の関係で用意できない」という場合であれば、五月人形の代わりに名前旗・名前札を変わるのもひとつの手です。
名前旗・名前札とは、端午の節句の時に「五月人形」の隣に飾るアイテムのことです。 五月人形の隣に飾る名前旗・名前札も、五月人形と同様に、その家の生まれた子どもの誕生を祝い、成長を願う節句飾りの一種です。
名前旗・名前札には、その家に生まれた子どもの名前を記します。名前札には、神様やご先祖様にその子の存在をお知らせして「赤ちゃんの成長を見守ってもらう」という意味が込められていると言い伝えられてきました。名前旗・名前札については、特別な決まりがないので、必ずしも飾る必要はありません。ただし飾ることで、ご自宅やお祝いの席が華やかなものになるので、お祝いムードもグッと高まります。
関連記事:五月人形の名前旗・名前札とは?名前旗・名前札を飾る理由や、飾り方について紹介
まとめ
五月人形を飾る場所について、しきたり・ルールは決められていないので、好きな場所に飾っても問題ありません。ですが、まずはお子様の近くに置いておくことがおすすめですので、ご実家ではなく、自宅に飾るのがいいでしょう。またお部屋が省スペースである、または食事会の際に持ち帰りたい、実家に飾らざるを得ない場合は、持ち運びやすいコンパクトなサイズの五月人形がおすすめです。