五月人形の名前旗・名前札とは?名前旗・名前札を飾る理由や、飾り方について紹介

端午の節句(※男の子の健やかな成長を祈願する行事)では、五月人形の隣に子どもの名前を記した「名前旗・名前札」を飾る風習があります。「名前旗・名前札」とは、端午の節句の時に「五月人形」の隣に飾るアイテムのこと。

名前旗・名前札には、その家に生まれた「子どもの名前」を記し、五月人形の隣に飾って「子どもの成長」をお祝いします(※飾り方については、後述にて解説させていただきました)

本記事では、名前旗・名前札を「五月人形」の隣に飾る理由を踏まえた上で、選び方や飾り方について紹介します。これから「名前旗・名前札を用意したい」と考えている方は、購入時の参考にしてくださいね。

目次

五月人形の「名前旗・名前札」とは

引用画像:写真AC

「名前旗・名前札」は、五月人形と同様に「端午の節句」の時に飾る「節句飾り」の一種となります。五月人形とは、子どもの成長を祈るために飾る人形のこと。端午の節句では、五月人形や、名前旗・名前札を部屋に飾ることで、子どもの成長をお祝いします。

五月人形の「名前旗・名前札」を飾る時には「飾る理由」も知っておくと、より想いを込めて飾ることができることでしょう。本項目では、五月人形の隣に「名前旗・名前札」を飾る理由や、由来について紹介しました。

  • 名前旗・名前札を飾る理由
  • 名前旗・名前札には「子どもの命名札」という役割も
  • 名前旗の由来
  • 名前旗が飾れない場合は「名前札」を代わりに飾る方法も

名前旗・名前札を飾る理由

五月人形の隣に飾る「名前旗・名前札」も「五月人形」と同様に、その家の生まれた子どもの誕生を祝い、健やかな成長を願う「節句飾り」となります。(※名前旗・名前札については、特別な「決まり」がないので、必ずしも飾る必要はありません)

「節句飾り」の他にも、「名前旗・名前札」には、神様やご先祖様にその子の存在をお知らせして「赤ちゃんの成長を見守ってもらう」という意味もあります。

「お子様のお名前の旗「名前旗」を掲げる風習がございます。これは、天の神様に「この子が産まれました」とお知らせする為と言われています。

引用:鯉のぼりの名前旗受付を2月1日(金)より開始致します(コデラ)

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名前旗・名前札には「子どもの命名札」という役割がある

名前旗・名前札には「子どもの命名札」という役割があるので、さまざまな行儀でも活用できます。活用できる行事は、主に以下のとおりです。

  • 赤ちゃんの命名祝い
  • お食い初め
  • 七五三

名前旗・名前札は「赤ちゃんの命名祝い」、「出生祝い」などでも使用できることから、購入するご家庭も少なくありません。名前旗・名前札は華やかなデザインのものも多いので、「お祝いの食事の席(お食い初めなど)」などの傍らに飾る方法もおすすめです。

関連記事:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

名前旗の由来

「名前旗」を飾るようになったのは、戦国時代に武士が「のぼり旗を立てた」ことが由来とされています。

戦国時代の武士は、戦の時に「敵、味方を識別するため」に、旗に軍の家紋、文字を入れた「のぼり旗」を立てていました。のぼり旗は、戦国時代から「軍の名前(旗の所有者)」を名乗ることを目的として用いられていたようです。「名前旗」には、のぼり旗と同様に「五月人形の所有者」を示す意味も含まれているんですね。

名前旗が登場した背景

引用画像:写真AC

五月人形の隣に「名前旗」という飾りが登場したのは、実はそう昔のことではありません。「名前旗」は都市開発が進み、端午の節句の際に屋外への飾り(鯉のぼり、名前入りの武者絵幟など)が難しくなったことから、屋内でも同じような飾り方ができるようにと考案された「節句飾り」となります。

名前旗は、古来からの風習ではなく、現代の家庭状況、ニーズに合わせて使われるようになったものです。

引用:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

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名前旗が飾れない場合は「名前札」を代わりに飾る方法も

端午の節句では、一般的に「五月人形」の隣に「名前旗」を飾ります。ただ、名前旗は大きめサイズのものが多いため、立てる場所を確保できない場合は「名前札」を代わりとすることも可能です。

名前札とは、子どもの名前が書かれた札のこと。名前旗と同様に、五月人形の隣に飾って「端午の節句」をお祝いすることができます。(※名前札の選び方、飾り方ついては後述にて詳しく説明します)

五月人形でお祝いする男の子の名前をアピールする方法は名前旗が一般的ですが、立てる場所を確保できない場合は名前札で代用することになります。名前札はサイズが小さくて場所を取らないため飾りやすく、素材は木でできていて軽くて好きな場所に置きやすいです。

引用:五月人形名前札・兜鎧の横に置く立札の特徴(人形・結納「陣屋」)


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名前旗の選び方

画像引用:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

名前旗は、部屋に飾る「五月人形」にあわせて、種類・絵柄・サイズを選ぶのがおすすめです。本項目では、名前旗の選び方について紹介します。(※名前札の「選び方」については、後述にて紹介しました)

  • 「種類」から選ぶ
  • 「素材」から選ぶ
  • 「絵柄」から選ぶ
  • サイズで選ぶ

「種類」から選ぶ

名前旗は、五月人形に合わせて「名前入り」「花個紋入り」などの種類から選ぶことができます。名前旗の種類は、以下のとおりです。

  • 名前のみ
  • 名前と生年月日入り
  • 花個紋入り

名前旗の「名前部分」は、一般的に「刺繍」または「手書き」で書かれていることが多いです。名前旗は「名前のみ」でも作成できますが、お子さまの誕生日祝いにも「名前旗」を活用したい場合は、「生年月日が入ったもの」を選ぶのがおすすめです。

その他にも、花個紋が入った「名前旗」を選ぶと、より華やかな印象になりますよ。花個紋とは、「その日」を祝福する草花の文様のこと。花個紋は、古来より「吉兆のしるし」とされており、五月人形で飾る「名前旗(名前札)」に描かれることの多い絵柄となります。

花個紋は“その日”を表す紋。 四年に一度の閏年だけにある二月二十九日もいれて一年366日。 四季折々の花を「紋」にあらわしたバースデーシンボルです。

引用:あなたの花個紋を探しましょう(366日の花個紋)

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参考記事:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

「素材」から選ぶ

名前旗は、素材から選ぶこともできます。名前旗に使われる素材は、主に以下のとおりです。

  • 金襴緞子(きんらんどんす)……豪華絢爛で立体感のある織物のこと
  • サテン……「朱子・繻子(しゅす)」という織り方で作られた織物のこと
  • ちりめん素材……絹を用いて平織りされた織物のこと

名前旗の生地は、一般的に光沢感のある「金襴緞子」を使用するケースが多いです。 「金襴緞子」の生地は、織り地が華やかで生地自体に「張り」があるのが特徴。上質な素材を使用して作られた生地なので、大切なお子さんの名前を記す「名前旗」の生地としてぴったりと言えるでしょう。

参考記事:【2023年】名前旗のおすすめ人気ランキング15選(my best)
参考記事:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

「絵柄」から選ぶ

五月人形の「名前旗」は、旗の絵柄で選ぶこともできます。絵柄を選ぶ時には、縁起の良いものを選ぶのがおすすめ。名前旗の絵柄にふさわしい「おすすめの絵柄」と、それぞれの意味は以下のとおりです。

  • 龍……古来より「福を招く」と言い伝えのある聖獣
  • 虎……勇敢さ、生命力の象徴
  • 桜……春に咲く、縁起の良い花とされている
  • 鳳凰……中国で生まれた架空の鳥。目の前に現れると、「おめでたい事が起こる前兆」という言い伝えがある

龍・桜などの刺繍が施された名前旗を「五月人形」の隣に飾ることで、お祝いの席にふさわしい豪華な雰囲気を演出できます。(※後述で紹介する「名前札」も、絵柄で選ぶことが可能です)

関連記事:初節句に名前旗は必要?飾るメリット・選び方・絵柄の意味も紹介(milpoche)

サイズで選ぶ

名前旗は、サイズによって選ぶことも可能です。見栄え良く「名前旗」を飾りたい場合は、部屋に飾る「五月人形」に合わせてサイズを選びましょう。

たとえば、サイズが大きめの「五月人形(※鎧飾りなど)」の隣に飾る場合は、大きい「名前旗」を選べば、バランス良く飾ることができます。コンパクトサイズの五月人形(※兜飾り、ケース飾りなど)であれば、小さめの旗を飾るのがおすすめです。

関連記事:【2023年】名前旗のおすすめ人気ランキング15選(mybest)

名前札の選び方

名前札も、名前旗と同じように「五月人形」に合ったものを選ぶのがおすすめ。ここでは、名前札の選び方について紹介させていただきました。

  • 「素材」から選ぶ
  • サイズで選ぶ

「素材」から選ぶ

名前札の素材は、一般的に「木製」のものが多いです。ただ、なかには「他の素材(ガラス、プラスチックなど)を使用して作られたものもあるようです。名前札の主な素材は、以下のとおり。

  • 木製
  • ガラス素材
  • プラスチック素材

ガラス・プラスチック素材の「名前札」を選ぶ場合は、名前を「横書き」にするとオシャレな印象になります。名前札にかかる費用は、文字のサイズ、素材などで異なる可能性があるので、予算や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

関連記事:五月人形名前札・兜鎧の横に置く立札の特徴(人形・結納「陣屋」)

サイズで選ぶ

名前札のサイズは、部屋に飾る「五月人形」に合わせて大きさを選ぶと、バランス良く飾ることができます。「名前札」のサイズは、一般的に「縦11cm×横7cm」ほどの大きさが多いです。

名前札はサイズが小さくて場所を取らないため飾りやすく、素材は木でできていて軽くて好きな場所に置きやすいです。サイズは縦が11センチで横が7センチが一般的で、飾り台の上に置くことで特別なものになります。

引用:五月人形名前札・兜鎧の横に置く立札の特徴(人形・結納「陣屋」

ただし、部屋に飾る「五月人形」が大きい場合は、小さめサイズだとバランスが崩れてしまう可能性があります。大きめサイズの「五月人形」の隣に飾るのであれば、バランスを考慮した上で「人形のサイズに合わせた名前札」を飾りましょう。

関連記事:五月人形名前札・兜鎧の横に置く立札の特徴(人形・結納「陣屋」)

「名前旗・名前札」おすすめの飾り方

「名前旗(名前札)は、どこに飾ればいいのだろう?」

五月人形の「名前旗・名前札」を飾る時、「どの位置に飾れば良いのだろう?」と迷ってしまうこともあるでしょう。本項目では、名前旗・名前札の飾り方に悩む方向けに「おすすめの飾り方」について紹介しました。端午の節句の時には、「名前旗・名前札」を飾る時の参考にしていただけると幸いです。

  • 右側に飾る
  • 名前旗の「両脇」に飾りをつける

右側に飾る

名前旗(名前札)の飾り方・飾る位置については、特別なしきたり・決まりはありません。ただ、名前旗(名前札)は五月人形に向かって「右側」が上座になるので、そこに飾るのが望ましいと考えることが多いです。(※「右側」に飾るスペースを用意できない場合は、置きやすいところ(左側、やや後方など)に飾っても問題ありません)

参考記事:五月人形の名前旗のポイント(人形結納の陣屋本店)

名前旗の「両脇」に飾りをつける

名前旗の両脇に飾りをつけることで、戦国時代の武将が掲げていた「のぼり旗」のように豪華な印象となります。(※こちらは「名前旗」のみの方法となります)

名前旗には両脇に飾りをつけると戦国時代の武将ののぼり旗のようになり、飾り台に乗った五月人形であれば向かって右側に立てかけると存在感を出しやすいです。

引用:五月人形の名前旗のポイント(人形・結納「陣屋」)

名前旗・名前札の両脇に飾るアイテムは、以下のとおりです。

  • タッセル……帯状の布や糸、細く切った革などを束ねた「房飾り」のこと
  • 鞠の三連飾り……鞠が連なった飾りのこと

名前旗の両隣に「飾り」をつけることで、いっそう華やかな印象になります。

引用:五月人形の名前旗のポイント(人形・結納「陣屋」

引用:【2023年】名前旗のおすすめ人気ランキング15選(mybest)

丁寧に作られた「名前旗・名前札」の購入なら、人形専門店がおすすめ

丁寧な刺繍が施された「名前旗・名前札」を購入したい場合は、人形専門店で注文するのがおすすめです。人形専門店で「名前旗」を注文すると、職人が手作業で「名前」の刺繍を入れていきます。(※名前札の場合は、職人が1文字ずつ心を込めて名前を入れていきます)

丁寧に作られた「名前旗」は、刺繍がしっかり入っているので、ほつれにくく、長持ちすることでしょう。さらに人形専門店の場合、生地に光沢感が美しい「金襴緞子」や「高級ちりめん生地」を使用しているなど、素材選びからこだわって作られています。

さらに「人形専門店」であれば、「名前旗・名前札」が故障した時に修理してもらえる「アフターサービス」が用意されているケースも多いです。(※お店によってサービスは異なるので、五月人形・名前旗や名前札の購入時には「アフターサービスがあるかどうか」を確認してから購入するのがおすすめです)

まとめ

名前旗・名前札は、部屋に飾る「五月人形」に合わせて種類やサイズを選ぶのがおすすめです。名前旗、名前札の選び方は、以下のとおり。

(名前旗の選び方)

  • 「種類」から選ぶ
  • 「素材」から選ぶ
  • 「絵柄」から選ぶ
  • サイズで選ぶ

(名前札の選び方)

  • 名前札の「素材」から選ぶ
  • サイズで選ぶ

名前旗・名前札は、古くから「端午の節句」で使用されているものではないので、必ずしも必要なものではありません。ただ、「名前旗・名前札」は豪華なデザイン、素材を使用したものが多いので、五月人形の隣に飾ることで華やかな印象を演出できます。

五月人形の隣に「名前旗・名前札」を飾って、大切なお子様の「端午の節句」を盛大にお祝いしましょう。

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