日本では「端午の節句(5月5日)」に、「子どもの成長を守る」などの願いを込めて、五月人形を部屋へ飾る風習があります。五月人形とは、鎧、兜を身に纏った人形のこと。五月人形は縁起物であることから、処分する時に「このまま捨てても、問題ないだろうか?」と、悩む方も少なくないようです。
五月人形を安心して処分したいのであれば、神社やお寺に「人形供養」を依頼するのがおすすめです。人形供養に出すことで、安心して「五月人形」とお別れすることができるでしょう。本記事では、人形供養の意味・五月人形を供養に出す「必要性」などを紹介した上で、「五月人形を供養する方法」について紹介します。
五月人形の「人形供養」とは
「五月人形」は縁起物であることから、処分する時に「そのまま捨てても、問題ないのだろうか?」と、感じてしまう方もいることでしょう。
五月人形の処分方法に悩む方には、神社・お寺に「人形供養」をお願いする方法がおすすめです。供養には、「感謝の気持ちを伝える」という意味もあるので、子どもの成長を見守ってきた「五月人形」とのお別れに適した方法とも言えます。まずは、人形供養の意味を踏まえた上で、五月人形を供養する必要性について紹介します。
- 人形供養の意味
- 五月人形の処分時に「供養」は必要?
人形供養の意味
五月人形を処分したい方の中には、今までの感謝を込めて「人形供養」をする方も少なくありません。人形供養とは、人形・ぬいぐるみなどを供養してから廃棄すること。人形供養では、人形・ぬいぐるみを祈祷、読経をしたのちに、お焚き上げをして供養します。
「人形供養」とは、大事にしていた人形やぬいぐるみなどを使わなくなった・いらなくなったとき、供養して廃棄することを言います。子どもが成長した場合のほか、亡くなった方の遺品整理として人形やぬいぐるみを処分するときに行うこともあります。一般的には、祈祷や読経のあと焚き上げを行います。
引用:人形供養とは?方法・料金の相場・供養できる神社やお寺のご紹介(みつわ)
人形供養には、思い入れのある「人形・ぬいぐるみ」に感謝の気持ちを伝えるという意味もあります。人形供養をすることで、処分を検討している人形やぬいぐるみに感謝の気持ちを伝えられるので、心残りなくお別れすることができます。
関連記事:人形供養とは?方法・料金の相場・供養できる神社やお寺のご紹介(みつわ)
五月人形の処分時に「供養」は必要?
五月人形を「供養」してから処分することで、これまで子供の身代わりとなってくれた人形に「感謝」の気持ちを伝えることができます。(※五月人形を処分する時には、必ずしも「供養」をする必要はありません)
そもそも「供養」とは、お供えものを捧げることで仏・菩薩に対して感謝の念を示すことを意味しています。
本来、供養は仏や菩薩に尊敬の気持ちを表し、花や食べ物、飲み物などをお供えすることを意味します。
(引用:供養とは?その目的から供養の種類や方法、違いまで”供養の全容”を解説(ひとたび)
五月人形を供養することで、「いままで、子どもを守ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えることができるのです。子どもを守ってくれた「五月人形」を処分する際には、感謝の意味も込めて、できれば「供養」してから処分することをおすすめします。
人形供養の方法を紹介
「人形供養をしたいけど、どこにお願いすればいいかわからない……」という方向けに、ここでは人形供養の方法について代表的なものを紹介しました。五月人形の供養を検討されている方は、参考にして頂けると幸いです。
- 神社・お寺に供養をお願いする
- 人形供養祭に人形を持ち込む
- 日本人形協会の「供養代行サービス」を利用する
神社・お寺に供養をお願いする
縁起物でもある「五月人形」を処分する際には、神社やお寺で人形供養をしてもらうのがおすすめです。人形供養とは、大切にしてきた人形やぬいぐるみなどを供養すること。一般的な「人形供養」では、人形・ぬいぐるみを祈祷、読経をしたのちに、お焚き上げをして供養します。
人形供養をしてから処分することで、子どもの成長を見守ってくれた「五月人形」と心残りなくお別れすることができることでしょう。
神社・お寺で人形供養をした時に、かかる費用
五月人形の供養には、費用が発生します。神社・お寺に「人形供養」を依頼した時の費用は、主に以下のとおり。
- 1体につき500円〜3,000円
- 箱で供養料金が決まる場合 3,000円〜5,000円ほど
- 五月人形の供養費用 一式10,000円(※供養費用の目安として、長福寿寺の「五月人形の供養費用」を紹介しました)
五月人形を供養する場合は、お願いする神社やお寺、または供養の仕方でも値段が異なります。たとえば、「1ヶ月毎日供養をお願いする」など、特別な供養をお願いしたい場合は、別途費用がかかるケースもあるようです。
特別供養の供養料は、別途に一体1万円となります。(通常の供養料の他に「特別供養料1万円」となります)
※10年以上の愛着のある人形、特別な念のこもった人形につきましては、特別にご祈祷した後に供養いたします。
引用:供養料(長福寿寺)
※特別供養のお人形様はすぐにわかるように【特別供養】と紙に記入して直接お人形様にお貼り下さい。
人形供養は、必ずしもすべての神社、お寺で行っている訳ではありません。人形供養をお願いする際には、最寄りの神社・お寺で「人形供養を行っているかどうか」を確認してからお願いしましょう。
関連記事:大切なお人形にお別れを(東冠)
関連記事:供養料(長福寿寺)
人形供養祭に人形を持ち込む
人形供養祭とは、お寺や神社が年に1回程開催している「人形を供養するお祭り」のことです。人形供養祭に持ち込まれた人形は、寺社で供養されたのち、産業廃棄物として処理されます。「人形供養祭」を開催している神社・お寺は全国にありますので、供養をお願いしたい場合は、神社・お寺の開催情報を確認しておきましょう。
なお神社・お寺によっては、人形供養祭で「ショーケース(ガラスケースなど)・位牌など」が処分できないケースもあります。
雛人形・五月人形等の付属品(お道具、段飾り等)にある金属製や陶器製もお預かりできます。ご供養できないものは、ダンボール・ショーケース・位牌などです。ダンボールやガラス類は、ご家庭で外していただき人形・お品のみをお持ち込みください。その他ご供養できないものもございますのでご了承ください。
引用:上野天満宮の人形供養(上野天満宮)
このようなお寺・神社で供養をお願いする場合は、ケースから取り出して人形のみお願いしましょう。(※ガラスケースに入った「ケース飾り」の五月人形を処分する場合)
関連記事:上野天満宮の人形供養(上野天満宮)
人形供養祭にかかる費用
人形供養祭を利用する際には、料金が発生します。人形供養祭にかかる費用は、寺社・業者により異なりますが、人形一体につき500〜5,000円程度が相場となります。
関連記事:人形供養とは?供養できる場所・費用を詳しく解説、無料で供養できる方法も(お炊き上げコラム)
日本人形協会の「供養代行サービス」を利用する
五月人形の供養には、日本人形協会が行なっている「供養代行サービス」を利用する方法もあります。「供養代行サービス」では、不要になった五月人形を送ることで、人形供養をしてもらえます。供養代行サービスに送られてきた人形は、毎年10月頃に東京大神宮で開かれる人形供養祭で丁寧に供養したのち、処分されます。
「(一社)日本人形協会では日本郵政と提携し、「ゆうパック」による代行サービスを行っております。
引用:人形感謝(供養)について((一社)日本人形協会)
ご不用になった人形類を全国のお客さまから通年でお引取りし、毎年10月頃に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」にてご供養いたします。
供養代行サービス利用時の注意点
「供養代行サービス」で五月人形を供養する場合、対象になるのは人形本体のみ(兜も含む)となります。鎧や屏風・台座、刀などの道具類に関しては、供養を受け付けておりません。これらを処分する際には、他の方法で処分する必要があります。
供養代行サービスにかかる費用
「供養代行サービス」を利用する時は、料金がかかります。料金は、一箱(袋) につき5,000円+ゆうパック料金(お客様負担)です。(※大きさ(縦+横+高さ=170cm以内)および重量(30kg以内)の条件にあてはまるものに限ります)
五月人形を長く使い続けるなら、最初から「高品質な人形」を選ぶ方法
「素敵な五月人形を、長く飾り続けていきたい」
「子どもが成人した後も処分せずに、次の世代へと受け継いでいきたい」
「五月人形」を長く飾り続けたいと考えているのであれば、職人がひとつひとつ訂正に作った高品質な人形を選ぶのがおすすめです。職人が手作業で丁寧に作った「五月人形」は、作りがしっかりしているので、長くお使い頂けます。
ただし、どんなに良質な「五月人形」であっても、長く使い続けていると「出し入れの時に、傷がついてしまった」などのアクシデントが発生することも……。五月人形を長く大事に飾り続けたいと考えているのであれば、購入先のお店に修理、修繕などの「アフターサービス」があるかどうかも確認しておくと安心です。
アフターサービスのあるお店なら、五月人形の傷・破損があった時もメンテナンスをしてもらえる可能性が高いです。
まとめ
五月人形を「供養」してから処分することで、「これまで、子どもの厄災を引き受けてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えることができます。五月人形の供養方法は、主に以下のとおり。
- 神社・お寺に供養をお願いする
- 人形供養祭に人形を持ち込む
- 日本人形協会の「供養代行サービス」を利用する
五月人形の「供養」は必ずしも必要という訳ではありませんが、きちんと供養することで安心して処分できることでしょう。