先日、五月人形を片付けるタイミングを紹介しましたが、節句が終わったら五月人形はしまわなければいけないのでしょうか。立派なものを飾っているご家庭ほど、片すのを億劫に思ってしまうかもしれません。また、甲冑をインテリアとして好み、できれば1年中飾りたいと思っている人もいることでしょう。本記事では、五月人形はしまわないと縁起が悪いなどのいわれがあるのか解説します。
ひま祭りは婚期が遅れるという言い伝えがある
端午の節句(こどもの日)が終わったら、すぐに片さなければいけないと考えている人の中には、ひな祭りの言われがよぎった人もいることでしょう。
雛人形は、「早くしまわなければ婚期が遅れる」という言い伝えがあります。嫁に行き遅れるとされる理由は主に3つの説があります。
1. 結婚の象徴だから伝わったもの
雛人形は婚礼の様子を表すという考え方があります。遅く片すと婚期が遅れるという謂れの方が浸透している印象がありますが、早く片しても、早く片付く=嫁に行くという謂れがあります。この考え方になぞらえ、飾る時期を結婚と見立てたのではないかとする説があります。
2.しつけとして伝えたもの
昔の価値観で「いいお嫁さん」というと、洗濯や掃除、料理など家事ができる人でした。そのため、雛人形の片付けもできないようであれば、いいお嫁になれないと考えられ、しつけの意味で「婚期が遅れる」と言われたとする説があります。
最近は「男性・女性だから」という考え方が薄れ、各家庭にあった分業をするようになっています。しつけのために、五月人形を一緒に片付けるというのも、考えの1つになるかもしれません。
3. 厄払いが要因で伝えたもの
ひな祭りは、ヒトガタに汚れを移す風習から現在の形に変容を遂げています。もともと、厄払いの意味で行われていた行事ですから、厄を受けた人形をいつまでも身近に置かないようにという考えから、「婚期が遅れる」という形で伝わったとする説があります。
しかし、手元から遠ざける流し雛が行われていたとはいえ、五月人形は「厄払いの意味があるからすぐに片しましょう」という謂れを聞かないため、雄山は懐疑的です。
五月人形はしまわないと縁起が悪いのか
実は、婚期を逃すという謂れのある雛人形と違い、五月人形は片さなければ縁起が悪いという謂れがありません。そのため、1年中飾っても問題がないと解釈できます。
最近は、片付けの時間がない人や甲冑をインテリアとして好む人を中心に、1年中飾っている人が増えてきている印象です。雄山でも、インテリアに馴染み一年中飾れるような鎧飾り、兜飾り、人形飾りを多く制作しています。