2026年3月3日・4日に開催されたカシオ計算機株式会社様の【MR-G 30周年 新製品発表会】にて、鈴甲子の兜を展示いただきました。
MR-Gは、「究極のタフネスウオッチ」をコンセプトに掲げるG-SHOCKの最上位シリーズです。
その強さと機能美の象徴として「兜」が重ね合わされ、鈴甲子雄山が各モデルのモチーフとなるオリジナル兜を制作してきました。
本展示は、MR-Gの思想と日本の甲冑文化の精神性を重ね合わせた演出として構成され、流通関係者・メディア関係者あわせて1000名近い方が来場される場での発表となりました。

展示作品
■ 衝撃丸(しょうげきまる)−六十二間筋兜
MRG-B2000SH“SHOUGEKI-MARU”のモチーフとなったオリジナル兜。
一枚の鉢に62枚の鉄板を均等に重ねて成形することで、高い強度と端正な造形を両立。
筋の一本一本が衝撃を分散させる構造は、実用防具としての合理性を備えながら、緊張感のある美しさを宿します。
本作では、G-SHOCKに実際に使用されているパーツを面頬に組み込み、現代の耐衝撃技術と、武将の「守る」思想を一体の造形として表現しました。


■ 「皚-がい-」― 銀箔押し頭形兜
MRG-B2000SG”GAI”のモチーフとなったオリジナル兜。
戦国期に広く用いられた頭形(ずなり)をベースに、全面に銀箔押しを施すことで、重厚な存在感と澄んだ気品を両立。
無駄を削ぎ落とした素直な輪郭は、実用防具としての合理的構造を備えながら、光を柔らかく受け止める静謐な美しさを宿します。
本作では、白糸威に見立てた威糸と、彫金師・小林正雄氏による虎の前立を配し、己を貫く強靭な意志を一体の造形として表現しました。


■ 華婆娑羅(はなばさら)−南蛮胴具足
MRG-B2000BS”HANABASARA”のモチーフとなったオリジナル兜。
「婆娑羅」とは体制に媚びず、華美な装いを好む武将の美意識。その精神を甲冑に凝縮し、強さと華やかさを一体の造形として両立。
独創性の高い意匠は、常識を打ち破る婆娑羅武将の生き方そのものであり、自己表現の道具としての甲冑が持つ本来の華を宿します。
本作では、研磨職人・小松一仁氏によるファセットカットの技法を取り入れ、前立てに宝石加工に通じるきらめきと、武将の揺るがぬ美意識を一体の造形として表現しました。


会場での反響
会場での反響
高級時計専門店様、大手百貨店様からも高評価をいただき、店頭催事での活用に関するお声が上がるなど、大変大きな反響をいただいたようです。
多くの方にとって、甲冑を間近で見るのは初めての体験であり、驚きと感動をもって受け止めていただけたとのことです。
精密と鍛金 ― 二つの思想の交差
精密機械として極限まで追求された耐衝撃構造。
命を守る防具として研ぎ澄まされた合理構造。
異なる時代、異なる分野で生まれた思想が、「守る」という一点で交差しました。
伝統は過去の保存ではなく、現代と接続したときにこそ新しい意味を持ちます。
今回の展示は、甲冑文化が現代のプロダクトと響き合う可能性を改めて示す機会となりました。
このような貴重な機会を賜りましたカシオ計算機株式会社の皆様に、心より御礼申し上げます。
今後も、伝統技術の本質を見つめながら、時代とともに進化するものづくりを続けてまいります。