馬や鯉など! 五月人形の鎧兜や屏風にでてくる動物の意味

五月人形にはさまざまな動物がモチーフとして使われ、個性豊かな生き物がたくさん登場します。今回はそんな五月人形の鎧兜や屏風にでてくる、動物たちの意味についてご紹介。それぞれに込められる思いや言い伝えなどがわかるため、気になる方はぜひご覧ください。

鎧兜・屏風に描かれている動物たちの意味

五月人形にも関わりが深い馬は、戦場では戦いを勝利に導き、農耕では人々に豊作を与えることから「富」や「反映」を意味します。「勝ち馬に乗る」といった言葉があるように、戦国の戦において馬との信頼関係が勝ち負けを決めることもありました。天下人の贈り物としても用いられ、名馬を持つことは当時の武士にとって権力の証でもあったと言われます。

「恵み」や「出世」を意味する龍は神龍とも呼ばれ、あらゆる動物の祖先と言われています。とある伝説では、毎日のように日照りが続く干ばつの中、龍が恵みの雨を降らせたこともありました。力強くも神聖な霊獣として、その名は戦国武将の異名としても扱われています。「越後の龍」「独眼竜」など、龍と武将たちに関わりがあるのは面白いですね。

鷹と言えば力強い眼力が特徴ですが、この眼には物事の先まで見通す力があります。このことから「本質を見抜ける力がつくように」といったような祈願に。また鷹は獲物を逃さないことからも、運やチャンスを逃さないといった意味もあり、威厳高い百鳥の王とも呼ばれていました。江戸時代のことわざでも初夢に出ると縁起がいいとして「一富士二鷹三茄子」というのも有名ですね。

張子や屏風でも登場する虎は、その力強さから「魔除け」「厄除け」といった意味合いが強い動物です。他にも「無病息災」を祈願する「虎舞」という伝統芸能も残されています。戦国時代においても、相手に打ち勝つ強さを表す虎は武具の材料に使われ、ゲン担ぎや権威を示すものとして用いられていました。「甲斐の虎」という異名を持ち、逸話を多く残している武田信玄とも関わりのある動物です。

鯉には川の激流をさかのぼる力強さと忍耐力を持つことから、「出世」の意味をもつ縁起の良い生き物だと言われています。中国にも「登龍門の伝説」という言い伝えがあり、黄河の上流まで続く激しい滝の「龍門」を登りきった鯉だけが、龍になれるというものです。このように大昔からすでに立身出世祈願として盛んに用いられていた鯉は、男児の成長と出世を願うのにも最適です。

動物はゲン担ぎや武将の異名で使われている

五月人形に使われる動物たちは、性質や特徴からゲンを担いでいたり、武将たちの異名として使われていたりと、興味深い由来がたくさんあります。

鈴甲子雄山では縁起のいい動物をモチーフにした五月人形もあります。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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