唐皮鎧ってなに? 家宝とされてきた平家の鎧について

人生の中で、特別な経験になる五月人形選び。子供への健やかなる成長を願いながら、最高の一つを見つけたいですよね。

五月人形を検索すると様々な種類があります。大きさ、色、インテリアとのマッチ……。人によって様々な選び方がありますが、今回は歴史上の人物から、一つピックアップしてご紹介します。

平清盛が着用したとされる「唐皮鎧」についてです。まだまだ人形が決められないという方は、ぜひ参考にしてください。

目次

唐皮鎧ってどんな鎧?

唐皮鎧(からかわよろい)とは、平家に伝わる鎧で、先祖代々受け継がれてきた家宝です。この「唐皮」とは虎の毛皮のことを指し、唐皮鎧は虎の毛皮を「威し(おどし)」て作られたとも言われています。

威しとは、甲冑を作る際に用いられ、小さな板(小札板)を結び合わせるための手法。一般的に絹などの糸を使って威しますが、それを虎の皮を使って鎧を作るなんて、相当高度な技術が用いられたのでしょう。

残念ながら唐皮鎧は壇ノ浦の戦いで紛失したとされ、現物は残っていません。そのため「幻の鎧」とも呼ばれ、平家物語や平治物語の記述のみに残された、ロマン溢れる鎧でもあります。

平家物語では、この鎧が平清盛に授けられた記述が残されていて、「小鳥」という名の小刀とともに、代々相続されてきたことがわかります。平治物語でも「弓矢は当たるものの、刺さらず」と、弓が当たっても刺さらないと記されています。とても頑丈な鎧だったのか、それとも何か不思議な力でもあったのでしょうか?

平清盛ってどんな人? 

唐皮鎧を父から受け継いだとされる平清盛。ここからは大河ドラマでも話題になった彼が、一体どんな人物だったのか見ていきましょう。平清盛は、平安時代の象徴「枕草子」や「源氏物語」などの文字が栄えた時代の後期に誕生します。この頃の政権は、天皇に仕えていた貴族が主でしたが、武家に主導権が大きく変わろうとしていたタイミングです。

そこで平清盛は立役者となり、700年以上長い間続くことになる「武士の時代」を築き上げます。武士のトップとして皆をまとめただけでなく、1167年には太政大臣に任命されます。

本来であれば公卿である貴族が治める、太政大臣にまで上り詰めました。日宋貿易のために瀬戸内海の航路を整え、彼の作った港は「神戸港」と名前を変えて今でも残っています。

日本の英雄である源義経の最大の悪役として示されることの多い人物ですが日本の歴史を大きく動かした偉人と我々は考えています。経済面や文化繁栄など、幅広く活躍した平清盛。彼に授けられたと伝わる唐皮鎧には、どんな特徴があるのでしょうか?

鈴甲子雄山の唐皮鎧の特徴は?

唐皮鎧に使われた虎の皮。これを再現するために、鈴甲子雄山では「赤・黄色・白」を用いて虎のような力強さ、そして華やかさを再現しました。黄色と赤の綺麗なグラデーションは、紅葉のようにも見えてとても綺麗です。こうした色の配色を匂い威(においおどし)といいます。

匂いは、鼻に近いと強く遠くなると薄いところから、濃い色を上段に、下段にいくにつれて薄い色になっていくこの配色を「匂い」というようになったと言われています。

またよく見てみると、裾には蝶の形の金物があり、平安時代らしい趣ある幻想的な雰囲気を感じます。これは平家の家紋「揚羽蝶」から着想、金具を製作しています。

サイズも五分の一のスケールで再現しているため、コンパクトで収納にも困りません。気になる方は、ぜひ一度現物を手に取って見てください。

まとめ

いかがでしたか? 平家に代々伝わる唐皮鎧。とても煌びやかで、お祝いにもふさわしい鎧ではないでしょうか。

歴史や人物を参考にしながら選ぶと、お人形選びもより楽しめます。特別な想いを込めた、お子様にぴったりのお人形を見つけてあげてください。

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