戦国武将・上杉謙信の兜は五月人形(端午の節句)でも大人気

五月人形を選ぶ際に、戦国武将のレプリカを求める方が少なくありません。中でも、上杉謙信の兜はかなり人気と言えます。魅力的な「日輪弦月」と「飯綱権現」という兜についてお話しした上で、なぜこれほどまでに親しまれているのか考えてみたいと思います。

目次

上杉謙信の兜といえば? 

飯綱権現 

国宝の飯綱権現は、長野県の飯綱山に対する山岳信仰が発祥と考えられる神仏習合の神であり、軍神ともされています。天狗形で白狐に騎乗した姿をしています。

右手に降魔の剣を、左手には縛索を持っているのが特徴です。背には翼、火炎を背負い、牙を咬む憤怒の形相をしているため、力強さを感じる兜と言えるでしょう。

日輪弦月(日輪三日月) 

日輪弦月は、上杉景勝のものである説が有力ですが、上杉謙信の兜という説も有名です。雄山では、上杉謙信の兜のものとして日輪弦月を制作しています。

特徴として、前立として日輪と三日月の両方をつけたデザインであることが挙げられます。兜全体よりも大きく長い三日月に重なるようにして上に日輪が輝いています。この前立が派手で戦国の世において武功を誇示するのに十分な派手さをもった兜だったと思われます。

画像は鈴甲子オンラインサイト「順風丸」のもの

五月人形で上杉謙信の兜が大人気な理由 

上杉謙信の才能にあやかって 

端午の節句(こどもの日)は五月人形を飾り、男の子の健やかな成長と将来の活躍を願う日です。

五月人形で上杉謙信の兜が大人気な理由の1つに、上杉謙信へのあこがれがあるのではないでしょうか。

上杉謙信はとても義理堅く人情味が深いことで知られています。「依怙によって弓矢は取らぬ。ただ筋目をもって何方へも合力す」(欲のために戦いはしないが、道理があれば誰へでも手を貸す)という有名な言葉があります。

卑怯なことを嫌い、「敵に塩を送る(敵へも情けをかけることの意)」という諺(ことわざ)にもなっています。そのうえで軍神と言われるほど強いのが上杉謙信です。

文武の才に恵まれ若くして類まれなる功績を収め、義理人情に厚く卑怯を嫌う人間性。そんな上杉謙信に対し憧れを抱き、我が子に上杉謙信のように強く正しく育ってほしいという願いを重ねるのだと、雄山は考えます。

「おしゃれ」と評判 

上杉謙信の兜は、太陽を表す「日輪」と「三日月」の鍬形が特徴的です。彼が鍬形として「日輪」と「三日月」を選んだのは「妙見信仰」による影響を受けたためだと言われていますが、「日輪」と「三日月」のように2つのものが前立となっているものは珍しいです。

「日輪」と「三日月」はいずれも感じるイメージがよく、その2つが組み合わされた「日輪弦月」はとても派手でおしゃれだと評判です。

飯綱権現もまた、国宝に指定されるほどの名作。力強さを感じる作品であることから、男児としての活躍や出世を想像させられます。

五月人形に込める願いに適した戦国武将の1人

上杉謙信は才能と実力にあふれる戦国武将でした。幼少期から文武の才を認められており、13歳で元服したその年の初陣で素晴らしい勝利を得て、生涯約70戦し2回しか負け戦がないと言われています。

義理人情に厚く、卑怯を嫌うという現代において称賛される人格的です。そんな人物がかぶっていた兜で、さらにおしゃれだとなれば人気が出るのも頷けます。

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